補習なんか止めて野外イベントに行こう

とある山裾の町の高校。夏休み期間だが補習のクラスの授業が行われている。
東北ながら、真夏のうだるような暑さ、もともとやる気が無いから補習を受ける羽目になった生徒達が勉強に身が入るはずもなく、どうやったら抜けられるかばかり考えている。
窓辺に席を取っていた留美がぼんやり外を見ていると、ワゴン車が止まり、何故か運転手がオロオロしている。
考えてみると、さっき野外イベントに参加するブラスバンド部を乗せたバスが「弁当が未だだが時間が無いから」と騒いで出て行った。
「弁当持ってきたんか?」と留美が声をかけると、ワゴンの運転手はそうだと言う。タイヤがパンクして予定時間に遅れたと。
しかし、この後も配達先があって、ブラスバンド部のバスを追いかけるわけに行かないと、うまく話が展開する。
これで授業を抜けられると仲間たちと悪知恵を働かせた留美は、代わりに弁当を届けると言って授業を中止にさせる。
皆で弁当を持って野外イベントのある場所へと電車で出かけた留美たちだが、寝ていて乗り替え駅で降りそこない、次の電車は何時間も無いということで歩いて行くしかなくなる。
そんなわけで届けた弁当が腐ってしまっていて、ブラスバンド部は集団食中毒。
次回に予定されている大事な野外イベントに参加できない可能性がある。
そこで、夏休みの補習が全てなくなるチャンスだと踏んだ留美たちは、責任を取って自分たちが野外イベントに参加すると申し出る。
弁当が足りなくて一人だけ食中毒を免れた部員の山田の指導で、ブラスバンドの練習を始めた留美たち。
苦労して音が出せるようになり、だんだんやる気になったところに、意外に早く回復したと部員たちが帰って来て、留美たちはお払い箱になる。
せいせいしたと最初は強がっているが、結局皆で泣き出してしまう。
ウダウダしていた生徒達が、せっかくやる気なって来ていたのに。
やっぱり諦められない留美は中古の楽器を買って、練習を始め、補習仲間もまた集まってきた。
この連中が、野外イベントに出て拍手喝采を浴びることになるとは、未だ誰も知らなかった。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ